「今の時代、ガソリン車って維持費が高いんじゃないの?」
「ハイブリッドやEVに乗り換えた方が得なのかな?」
最近よく耳にする声です。街を見渡せば、プリウスなどのハイブリッド車やテスラなどのEVが当たり前になってきました。一方で、ガソリン車は「時代遅れ」と言われることも…。しかし、実際のところガソリン車の維持費は本当に高いのでしょうか?
この記事では、ガソリン車・ハイブリッド車・EV(電気自動車)の維持コストを項目ごとに比較し、それぞれのメリット・デメリットを整理します。これから車を選ぶ人や買い替えを検討している人は、ぜひ参考にしてください。
◆ 比較するポイントは?
車の維持費を考える際には、以下の項目を押さえておく必要があります。
- 燃料代・電気代:走るための直接コスト
- 自動車税・重量税:車種や排気量による差
- 車検・保険料:車齢や走行距離で変動
- メンテナンス費用:オイル交換、タイヤ、バッテリーなど
- 購入価格と補助金:初期投資に関わる要素
◆ 燃料・電気代の比較
ガソリン車
燃費は車種によって異なりますが、平均で12〜15km/L程度。ガソリン価格が170円/Lとすると、1万km走行でおよそ11万〜14万円。
ハイブリッド車
燃費20〜25km/L程度。1万km走行なら約7万円前後。ガソリン車に比べて燃料代は半分近くになるケースも。
EV(電気自動車)
電費(1kWhあたりの走行距離)は車種によって異なりますが、6〜7km/kWhが一般的。1kWh=30円とすると、1万kmで約4.5〜5万円。燃料代では圧倒的に安い。
◆ 税金の違い
- ガソリン車:排気量によって自動車税が高め(例:1500ccで3万5千円/年)
- ハイブリッド車:エコカー減税で数年間は軽減されるケースあり
- EV:重量税や取得税が免税になる制度あり、自動車税も軽減措置あり
購入直後はEVやハイブリッドが圧倒的に有利。ただし、制度は年々見直されているため注意が必要です。
◆ 車検・保険料
車検そのものの費用はどの車種も大きな差はありません。ただしEVは排気系統がないため、交換部品が少なく整備コストは下がる傾向があります。一方、保険料は車両価格が高いEVやハイブリッドの方が高めに設定される場合も。
◆ メンテナンス費用
ガソリン車
オイル交換必須、バッテリーは数年ごとに交換。比較的シンプルで安い。
ハイブリッド車
基本はガソリン車と同じだが、駆動用バッテリー交換が将来的に大きな出費になる可能性あり(10万円〜数十万円)。
EV
オイル交換不要。消耗品は少ないが、駆動バッテリー交換コストは非常に高額(数十万〜100万円規模)。メーカー保証やリース契約でカバーされることもある。
◆ 購入価格と補助金
- ガソリン車:新車価格が最も安い。軽自動車なら100万円台〜。
- ハイブリッド車:200〜300万円台が中心。補助金はほぼ終了。
- EV:補助金込みで300〜500万円台が一般的。充電設備の設置費用も考慮が必要。
◆ トータルコストで比較
仮に5年間・5万kmを走った場合の試算例(概算)
- ガソリン車:燃料代70万円+税金18万円+車検/整備30万円=約120万円
- ハイブリッド車:燃料代40万円+税金12万円+整備35万円=約87万円
- EV:電気代25万円+税金10万円+整備20万円=約55万円(充電設備別)
こうして見ると、ランニングコストではEVが圧倒的に安く、次いでハイブリッド。ガソリン車は購入価格の安さが強みです。
◆ メリット・デメリットまとめ
ガソリン車
- 初期費用が安い
- 給油インフラが整っている
- 維持費は高め(燃料・税金)
ハイブリッド車
- 燃費が良い
- エコカー減税でお得
- バッテリー交換が将来の不安要素
EV
- 燃料代が安い
- 税制優遇や補助金がある
- 充電インフラ不足・バッテリー交換コストが課題
◆ まとめ
ガソリン車=維持費が高い、EV=維持費が安い、というイメージは一面の真実ですが、実際には購入価格・走行距離・充電環境・バッテリー寿命といった要素で大きく変わります。
走行距離が少ない人にはガソリン車もまだ選択肢になりますし、長距離・日常的な利用が多い人ならハイブリッドやEVの方が有利です。
結局のところ「ライフスタイルに合った車選び」が一番の節約術になるでしょう。

