新車の価格高騰時代、中古車という選択肢 ― 個人事業主がベンツを買う理由と賢い購入術

新車の価格高騰時代、中古車という選択肢|個人事業主がベンツを買う理由とは?

かつては200万円台から手が届いたVWゴルフ。しかし今や、最新モデル「ゴルフ8」では車両価格が400万円前後になることも珍しくありません。特に輸入車に関しては、円安や輸送コストの上昇、半導体不足などの影響も重なり、新車価格の高騰が続いています。

そんななか、近頃よく聞くのが「新車は高すぎて手が出ない。中古車にしよう」という声。実際に、筆者自身もそう感じており、ゴルフ8の新車を買おうかと検討したものの、その価格の高さに一瞬で躊躇してしまいました。

ところが、中古車市場に目を向けると、選択肢がぐっと広がります。特に注目すべきは、新車価格の値落ちが激しい輸入車の中古車。その中でもメルセデス・ベンツは、一定年数経過したモデルが手頃な価格帯にまで落ちるため、狙い目となっています。

個人事業主の娘からの一言「ベンツ、中古で探して」

そんな矢先、個人事業主となった娘から「4年落ちのベンツを中古で探してほしい」との相談が。最初は驚きました。「なんでわざわざベンツ?もっと現実的な車のほうがいいんじゃない?」と思ったのですが、話を聞くと納得の理由が。

それは、事業用として購入することで、経費として計上できるという点です。ベンツのような高級車でも、使用割合や耐用年数を計算して減価償却を行えば、立派な節税効果があるというのです。

個人事業主が車を経費計上する理由とは?

  • 業務使用がある場合、車両取得費・維持費が経費になる
  • 減価償却で取得費を複数年にわたって経費化可能
  • 高額な車ほど、節税インパクトが大きい
  • ガソリン代、車検代、保険料なども按分で経費に

たとえば、4年落ちのベンツCクラスを300万円で購入し、耐用年数を6年とすると、単純に1年あたり50万円の経費として扱える計算です。もちろん、プライベート利用との按分も必要ですが、かなり大きな節税インパクトになります。最後に詳細な解説をしています。

新車じゃなくてもいい。むしろ中古車が狙い目な理由

ベンツをはじめとする輸入車は、新車で買うと高額ですが、3〜5年で価格が半額以下になるケースが多いです。

たとえば、以下のような例があります:

車種 新車価格 4年落ち中古価格 値落ち率
ベンツ Cクラス 650万円 290万円 約55%
VW ゴルフ8 420万円 240万円(予測) 約43%
アウディ A4 580万円 270万円 約53%

この値落ちの大きさ=中古車としてのお買い得さに直結しています。

なぜここまで値落ちするのか?

  • ブランドイメージにより新車需要が高く、リセールに影響
  • メンテナンスコストの高さが敬遠されがち
  • 輸入車=故障が多いという先入観

しかし、昨今の輸入車は品質が大きく向上しており、ディーラー認定中古車であれば保証も付き、安心して乗れるレベルです。

ディーラー認定中古車を狙え!安心と保証が違う

中古車に抵抗がある人でも、「ディーラー認定中古車」であればかなり安心です。

ディーラー認定中古車のメリット

  • 納車前に100項目以上の点検整備が入る
  • 1〜2年の保証付き
  • 延長保証制度あり
  • 整備履歴が明確で、事故歴なし

ベンツやVWなどの正規ディーラーであれば、新車同様のアフターサービスが受けられるため、中古でも信頼感が段違いです。

結論:中古もOKなら、選択肢は一気に広がる

「新車でなければ意味がない」という時代は終わりを迎えつつあります。価格は上がり、納期も延び、補助金制度も縮小傾向。そんな今だからこそ、状態の良い中古車=賢い買い物です。

特に、個人事業主やフリーランスで車を業務使用する方にとっては、経費計上可能な車=投資資産とも言えます。ベンツのようなブランド車でも、4〜5年落ちのモデルであれば、半額以下で手に入り、節税効果まで得られる

中古車購入で気をつけるポイント

  • 走行距離より整備履歴を重視
  • できる限りディーラー系の販売店で購入
  • 納車前整備と保証の内容を確認
  • 消耗品(タイヤ・ブレーキ・バッテリー)の状態

また、節税目的で車を購入する場合は、税理士や会計士に確認を取りながら、事業使用割合を正しく把握しておくことが重要です。

✅ 減価償却と中古車の「耐用年数」の関係

まず大前提として、個人事業主や法人が中古車を購入した場合の耐用年数は、以下のように税法で定められています(国税庁ガイドラインより):

中古車の耐用年数 = (法定耐用年数 - 経過年数)+ 経過年数 × 0.2

ただし、6年以上使用された普通車(ガソリン車)は「一律2年」とする簡便法もあります。


✅ 中古車年式別の耐用年数と償却スピード

年式 耐用年数の目安(法定6年) 減価償却可能年数 ポイント
2年落ち 6 – 2 + 2×0.2 = 4.4年(切り上げで5年) 5年償却 償却期間が長く、節税効果が分散
3年落ち 6 – 3 + 3×0.2 = 3.6年(4年) 4年償却 節税効果は中程度
4年落ち 6 – 4 + 4×0.2 = 2.8年(3年) 3年償却 価格・節税・信頼性のバランス◎
5年落ち 6 – 5 + 5×0.2 = 1.8年(2年) 2年償却 短期で節税可能だが状態確認要
6年落ち以上 簡便法により一律2年 2年償却 費用は安いが故障・劣化リスクあり

✅ なぜ4年落ちが「節税 × 実用性」のバランス最適点か?

● ① 減価償却期間が3年 → 十分に早く費用化できる

たとえば300万円の車なら:

  • 1年目:100万円
  • 2年目:100万円
  • 3年目:100万円

支出に対して利益を圧縮しやすく、節税効果が大きいのが特徴です。

● ② 購入価格が大きく下がるタイミング

新車価格が600万円の車も、4年後には250〜300万円に。
高級車でも半額以下で購入可能なゾーンです。

● ③ ディーラー認定中古車が多い

4年落ちなら保証付きのディーラー車も多数。
車検付きで状態良好な車両も多く、安心して事業用に使えるのがメリット。


✅ 他の年式との比較まとめ

年式 償却スピード 節税額 購入価格 リスク バランス評価
2年落ち 遅い(5年) △ 分散 高め 低い
3年落ち 普通(4年) ○ 中程度 やや高 低め
4年落ち 速い(3年) 下落大 低〜中 ◎ ベスト
5年落ち 非常に速い(2年) 安い
6年落ち 非常に速い(2年) 安価

✅ 結論

「経費で落とせる」「故障リスクが低い」「価格が下がっている」「減価償却が早い」
この4点がすべて揃うのが4年落ちの中古車です。

個人事業主や中小企業にとって、4年落ちは「節税 × 購入コスパ × 実用性」がもっとも高次元で交わるバランス点です。

最後に|「車は資産」から「車は戦略」へ

輸入車を「見栄」や「贅沢品」と捉える時代は終わりました。今や、目的に応じて中古で高級車を選ぶのは極めて合理的な選択です。

新車の価格がここまで高騰してしまった現在、中古車を上手に選べば、コストを抑えつつ品質も妥協しない買い物が可能になります。

娘の「中古のベンツでいい」という一言から始まった今回の話。改めて、中古車という選択肢の広さと奥深さを実感しました。

これから車を買う予定がある方、あるいは節税を意識する個人事業主の方には、ぜひ中古車市場を一度覗いてみることをおすすめします。

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