VWのオイルを調べていると「VW508」と「VW509」という似た番号が出てきます。「508がガソリン用で509がディーゼル用らしいけど、何が違うの?別々のオイルが必要なの?」と混乱した方は多いのではないでしょうか。
私もTクロスに乗り換えてから初めてVW508という規格を知り、ポロ6Cの頃に使っていたVW504との違いに戸惑った記憶があります。この記事では、VW508とVW509の違いをシンプルに整理し、自分の車に何を入れればいいかがわかるように解説します。
この記事でわかること
- VW508とVW509それぞれの特徴
- 2つの規格の違いと「1本で両対応」の理由
- VW504/507との違い(世代の違い)
- VW508/509が使える車種・使えない車種
- 市販オイルの表記の正しい読み方
- よくある間違いと注意点
VW508・VW509とはどんな規格か
VW508とVW509は、フォルクスワーゲンが2018年以降の新世代エンジン向けに策定したオイル規格です。正式名称はそれぞれ「VW 508 00」「VW 509 00」で、どちらも粘度は0W-20が指定されています。
それまでの主流だったVW504(5W-30)よりさらに粘度を下げることで、エンジンの摩擦を減らし、燃費性能と環境性能を高めた設計になっています。VWが「LongLife IV FE」と呼ぶロングライフオイルに相当し、交換サイクルは最大30,000km(またはメーカー指定のサービスインターバル)です。
見た目の特徴として、VW508/509認証オイルは青緑色に着色されています。これは偽物流通を防ぐためのVWの独自基準で、認証品かどうかを視覚的に確認できる仕組みになっています。
VW508と0W-20の関係についてはこちらも参考にしてください。
→ VW508と0W-20の関係|なぜVWは低粘度オイルになった?
VW508とVW509の違いはたった1つ
VW508とVW509の違いを一言で言うと、対象エンジンの種類だけです。
- VW508 00:ガソリンエンジン車向け(TSI・TFSI・GPF搭載車)
- VW509 00:ディーゼルエンジン車向け(TDI・DPF搭載車)
粘度(0W-20)も交換サイクルも、基本的な性能要件も同じです。違いはエンジンタイプに合わせた添加剤の調整にあります。ディーゼルエンジンはすすや酸性物質が発生しやすいため、VW509はDPF(ディーゼル微粒子フィルター)を保護する成分が強化されています。
「508/509」と両方書いてある製品が多い理由
カー用品店でオイルを探すと、缶に「VW 508 00 / 509 00」と両方の規格が記載された製品をよく見かけます。これは1本のオイルでガソリン車にもディーゼル車にも対応できるように設計された製品で、VW508とVW509の両方の認証を同時に取得しています。
つまり、ガソリン車のポロAWにもディーゼル車のゴルフ8 TDIにも、同じ「508/509」表記のオイルが使えます。
| VW508 00 | VW509 00 | |
|---|---|---|
| 対象エンジン | ガソリン(TSI) | ディーゼル(TDI) |
| 粘度 | 0W-20 | 0W-20 |
| フィルター対応 | GPF対応 | DPF対応 |
| ロングライフ | ✅ | ✅ |
| 対応年式(目安) | 2018年〜 | 2018年〜 |
| オイルの色 | 青緑色 | 青緑色 |
| 市販品の表記 | 「508 00 / 509 00」両方記載が多い | |
VW504・VW507との違い|世代が変わると何が変わる?
VW508/509と、ひとつ前の世代にあたるVW504/507を比較すると、最大の違いは粘度と対象車種の世代です。
| VW504 / VW507 | VW508 / VW509 | |
|---|---|---|
| 粘度 | 5W-30 | 0W-20 |
| 対象世代 | 〜2017年頃 | 2018年〜 |
| 省燃費性 | 高い | さらに高い |
| ロングライフ | ✅(最大30,000km) | ✅(最大30,000km) |
| 旧規格との互換 | 旧車に幅広く対応 | 新世代専用・旧車不可 |
重要な点は互換性の方向です。VW504指定の旧世代車にVW508を入れることは基本的に問題ありませんが、VW508指定の新世代車にVW504(5W-30)を入れることは推奨されません。エンジンが0W-20を前提に設計されているからです。
VW504とVW507の違いについてはこちらで詳しく解説しています。
→ VW504とVW507の違い|DPF対応ディーゼル車は注意
VW502規格(5W-40)も含めた規格全体の整理はこちら。
→ VW502規格とは?VW504との違いと現在も使える車種を解説
VW508/509が使える車種・使えない車種
VW508/509は2018年以降の新世代エンジン専用規格のため、使える車種と使えない車種がはっきり分かれます。
VW508指定(ガソリン車)の代表的な車種
- ポロAW(1.0 TSI・2018年〜)
- Tクロス(1.0 TSI)
- ゴルフ8(1.0 eTSI・1.5 eTSI)
- T-ROC(1.0/1.5 TSI)
- ティグアン(新型)(1.5 TSI)
VW509指定(ディーゼル車)の代表的な車種
- ゴルフ8 TDI(2.0 TDI・DPF搭載)
- ティグアン TDI(2.0 TDI)
VW508/509が使えない車種(旧世代)
- ゴルフ7以前のTSI車(→VW504が必要)
- ポロ6R・6C(→VW504が必要)
- ゴルフ7以前のTDI車(→VW507が必要)
⚠️ 重要な注意点
VW508指定の新世代車(ポロAW・Tクロス・ゴルフ8など)にVW504(5W-30)を入れることは推奨されません。エンジンが0W-20を前提に設計されているため、粘度が高いオイルを入れると燃費悪化やエンジンへの負担につながる可能性があります。
VW508指定車にVW504(5W-30)を入れた場合どうなるかはこちら。
→ VW508指定車に5W-30を入れるとどうなる?0W-20指定車の注意点
市販オイルの選び方|表記の正しい読み方
実際にVW508/509対応オイルを買う際に迷いやすいポイントをまとめます。
缶の表記の読み方
- 「VW 508 00 / 509 00」両方記載:ガソリン・ディーゼル両対応。ほとんどの主要製品がこの表記。
- 「VW 508 00」のみ記載:ガソリン車専用。ディーゼル車には使用不可。
「認証」と「適合」は別物
市販オイルには2種類の表記があります。
- 認証品(アプルーバル):VWが実際にテストして承認したオイル。缶に「VW 508 00認証取得」と明記されている。
- 適合品(レコメンド):メーカーが「対応していると思われる」として推奨しているもの。VWの正式承認ではない。
こだわるなら認証品を選ぶのが安心です。MOTUL・LIQUI MOLY・Castrol・Mobilなどの主要ブランドがVW508/509の認証を取得した製品を出しています。
おすすめの具体的な製品はこちらで紹介しています。
→ VW508対応おすすめオイル5選|純正・MOTUL・LIQUI MOLY比較
よくある間違いと注意点まとめ
VW508/509について、特によく見かける誤解を整理します。
| よくある誤解 | 正しい理解 |
|---|---|
| ❌ VW508とVW509は別々のオイルが必要 | ✅ 多くの製品が1本でガソリン・ディーゼル両対応 |
| ❌ 0W-20なら何でもVW508対応 | ✅ VW508/509認証を取得した製品でなければNG |
| ❌ VW504を持っているので新世代車に流用できる | ✅ VW508指定車へのVW504使用は非推奨 |
| ❌ 適合品でも認証品と同じ | ✅ 認証品はVWが実際にテスト・承認した製品 |
| ❌ ゴルフ8なら508も504も選べる | ✅ ゴルフ8はVW508指定・VW504は非推奨 |
純正オイルと社外オイルの選び方については以下も参考にしてください。
→ VW純正オイルと社外オイルの違い|MOTUL・LIQUI MOLY比較
まとめ
VW508とVW509の違いについて整理すると以下のとおりです。
- VW508はガソリン車(TSI)向け、VW509はディーゼル車(TDI)向け
- 粘度・交換サイクルは両規格とも同じ(0W-20・最大30,000km)
- 市販品の多くは508/509両方の認証を取得した1本でOK
- 2018年以降の新世代エンジン専用で、旧世代車(ゴルフ7以前)には使えない
- VW508指定車にVW504(5W-30)を入れることは推奨されない
オイル選びの大原則は、取扱説明書に記載された規格を確認してから、その認証を取得した製品を選ぶことです。VW508/509対応の認証オイルを選べば、ガソリン車・ディーゼル車を問わず安心して使えます。
VW規格全体の体系をもう少し広く理解したい方はこちらもどうぞ。
→ VW502規格とは?VW504との違いと現在も使える車種を解説
→ VW504対応おすすめオイル5選|ポロ6RCにもおすすめ
